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マージナルプリンス2の二次小説です

2026

0731
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2009

1009
■マジプリ1×マジプリ2
色とりどりの王子達8 続編 ドリーム機能版はこちら

次はハルヤだ。最初にチラッと目を合わせたきり、俯いてしまっている。
##NAME1##はそんな彼を見ていて、妙にほっとした。
言語が日本語になったせいか、相手がハルヤだからだろうか。
「久し振りだね。どうしよ、なんか緊張しちゃうな」
ハルヤ本人は所在なさげに自分の手を弄っている。
「えっと……あの、レッドも言ってたんだけど、お姉さんが作ったクッキー、また食べたいな。
気が向いたら、また送ってね。クッキーじゃなくて、##NAME1##の作ったのなら何でも良いから」
解りました、と答えた。
少し照れながら話すハルヤが、いかにも日本人らしくて微笑ましく感じた。
彼を前にすると、不思議と沈黙を苦に感じない。
無理をしてでも何か話さなきゃという気が起こらなかった。
少しスローな話し方も、東京圏とは違うアクセントも、こちらを和ませた。
彼はまだやや落ち着かない様子で、おそらくは無意味に、髪を耳に掛けたりしている。
「あ、そうだ。明日、時間あるかな?」
耳の端が薄く桃色に色付いていた。
「あのね。俺達、観光していく予定なんだ。秋葉原とか俺の母のお店とか。
シルヴァンは函館と福岡にも行きたいって言ってるんだけど、
もし良かったら、都内だけでも一緒に旅行しない?」


「よし、最初に、はっきりしとこうぜ!」
アルフレッドは部屋に入ってくるなり、##NAME1##の両肩を掴んだ。
「いいか、正直に言ってくれ。俺達のことがイヤならイヤだって。
そしたらもう会いに来ねえし、電話もしねえ。
つか、あの金髪ナルシストの彼女なんかじゃないんだよな!?」
真っ直ぐな瞳。子役時代から変わらない。相手を真正面から捉える眼差しだ。
その眼力に気圧されるように、##NAME1##は、来てくれて嬉しかったこと、
リチャードの彼女になったわけではないことを説明した。
アルフレッドは盛大な溜め息を吐いた。
「あー、良かったー! 君にマジでイヤがられてたら、どーしようかと思ったぜ。
今更君のこと忘れてるなんて、できねえよ」
視界が暗くなった。
「やっと捕まえた」
一瞬のうちに引き寄せられ、腕の中に居た。
「どんなに離れてたって、俺は君を愛してる。絶対だ」


シルヴァンが部屋に入ってきた時、随分彼を見上げてしまった。
元々背の高い彼だったが、少し見ないうちにまた背が伸びたのではないだろうか。
そう尋ねると、本当に1cm程伸びたそうだ。
「この年でまだ伸びるみたいですね。気付いてくれたのは貴女が初めてですよ、嬉しいです」
綺麗な菫色の瞳。落ち着いて話している時の彼は、凄く大人に見える。
「座りません?」と言われて、ごく自然にベッドに座らされた。
こうして並んで座ると、彼との目線が先程より下がった。
シルヴァンさんはエジプトから来てくれたんですか、と聞いてみた。
「ええ。以前、お話しした通りになりましてね、今はカイロに居るんです。
東京より10度程暑いですけど、雨は殆ど降らないですし、なかなか良いところですよ。
僕のことより、貴女のことを聞かせて下さい。貴女は僕が卒業した後もお元気でしたか?」
はい、と答えた。
「良かったです。でも、少し複雑だな。僕が居なくても平気というのなら。
僕は寂しかったですよ。貴女に会えなくて、寂しかったです」
在学時より少し痩せたように見えた。
「その間、貴女は他の男と、あの大学生達とお話ししていたんですね。
正直言って、ショックでした。僕が独占欲の強い男だとご存知の筈なのに」
以前からストレートに物を言う人だったが、今日の彼も偽りない。
「でも、それは、貴女を繋ぎ留めておけなかった僕が悪いんですよね。
だから貴女の心に隙間が出来てしまった。それを埋めてくれたのが彼等だったのでしょう?
僕に彼等を責める資格はありません。すみませんでした。貴女に寂しい思いをさせて」
そう言って頭を下げた。
「##NAME1##、もう一度、僕にチャンスを頂けませんか?
改めて、貴女に僕の気持ちを伝えたいんです」
シルヴァンは##NAME1##の両手を取る。包み込むようにそっと握った。
「愛しています」
あたたかい手だった。
「これからも貴女を愛することを許してくれませんか?」


次はアンリだ。少し見ない間に、また美貌に磨きがかかった気がする。
アンリは##NAME1##から少し離れた位置で立ち止まった。
「ねえ。ひとつだけ聞かせて?」
アンリにしては毒気のない声だった。
「君は僕を裏切ったの?」
えっ、と##NAME1##は聞き返す。
「君がもう僕に興味がなくなったというのなら、僕は今日で、君を忘れる。
そういうの、僕、得意だから。今度も、きっとできると思う。
僕の中から君を消去して、最初から君という人には出会わなかったことにするよ。
そうしなければ辛過ぎるし、僕の中に居る悪魔が、君を傷付けてしまうかもしれないから」
淡々と話していた声が、頼りない呟きに変わる。
「僕に信じることを教えてくれたのは君なのに、君に裏切られたら、僕はもう誰も信じられない」
時計の秒針が聞こえた。
「だけど、君に甘い嘘を吐かれ続けるのはもっと嫌だから」
彼はふっと顔を上げた。
「一思いに言って。僕を傷付けてよ」


最後に##NAME1##の部屋を訪れたのは、聖アルフォンソ学院の元生徒代表、
現在はロレート公国の正式な王位継承者となった、プリンス・ジョシュア。
ここ最近では、日本のメディアでも彼を見る機会が多くなった。
その顔が今、目の前にある。久し振りの対面に、##NAME1##は少し緊張していた。
「突然来てすまない。驚かせたよね。その、タイミングも悪かったし」
彼らしい控えめな言葉だった。
身分が変わっても、彼は彼のままだったことに##NAME1##は安堵した。
卒業後はお元気でしたか、と聞いてみた。うん、とすぐに回答はあったが、
彼は相手に心配させない為なら、平気で嘘を吐く人なのだと、##NAME1##は知っていた。
「本当に?」と再度尋ねた。彼は五秒間たっぷり迷った後、観念したように口を開いた。
「ロレートで暮らすようになってからは、色んな人と接する機会があってね。
俺、どちらかと言うと人見知りだから、緊張したり、少し辛いこともあったんだ」
王子様の生活も楽ではないようだ。
特に、ジョシュアのようなタイプなら尚更、気苦労が絶えないのは想像に難くない。
「だけど、どんな夜でも、君のことを考えたら、気分が落ち着いて眠れたんだ。
ユウタの携帯電話で話したこと、生徒代表室で君が言ってくれたことを思い出してた。
君と話せない間も、君に助けられてた。ありがとう。いつも俺を支えてくれて」
##NAME1##は自分の頬が少し熱くなるのを感じた。
「後は……まだ水面下で動いているだけだけど、
王室の人達はロレートの次期プリンセスを選ぼうとしているみたいなんだ」
それって、と##NAME1##が言うと、ジョシュアは頷いた。
「うん。俺の婚約者になる人を決めようとしているんだよ。
今のロレートには王妃が居ないから、次は居て欲しいみたいでね。
カーディスは、『外野の言うことは気にするな』、『お前の好きにしていい』って言ってくれてるんだけど。
マスコミや国民の間でも、その期待は高まっていて、候補者と呼ばれる女性が既に何人か居るそうなんだ」
##NAME1##は思わず少し裏返った声で「ジョシュアさん結婚するんですか!?」
ジョシュアは首を縦に振った。
「国全体の期待に反するなんてできないよ。俺一人のせいでみんなを不幸にしてはいけないから」
そんな、と言おうとしたが、##NAME1##の口は開かない。
彼の立場で、他の選択肢があるだろうか。
ましてや、あまりにも簡単に自分より他人の幸せを優先する彼に。
「でも俺は、そう思う一方で、自分の心に正直になりたいと、思ってる」
まるで大罪を懺悔するかのように。そして、彼は言った。
「だから、会いに来たんだよ」
これは宝石の色か、呪いの色か。
「もし君が、俺と同じ気持ちなら――」
闇の家系、その血を引く証。緋色の瞳に##NAME1##が映っている。


fin
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