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マージナルプリンス2の二次小説です

2026

0731
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2009

0916
■マジプリ1×マジプリ2
色とりどりの王子達2 続編 ドリーム機能版はこちら

イギリスの街が、アンティークな街灯に照らされる頃。
寮のサロンにてみんなで格闘ゲームをした後、ユリウスは自室に戻っていた。
机上の本棚はテキストや参考文献などが綺麗に整列している。
その右端にはよく使い込まれた背の低い本が一冊あった。

賑やかな話し声が廊下を通り過ぎていくのが聞こえた。
ユリウスは時計を見る。夕食の時間だった。そろそろ、ダイニングルームへ向かわなくては。
そう思ったところで来客があった。
金色に輝く髪に、澄んだ青い瞳。同性から見ても綺麗な男だ。
いつだって女性に囲まれるような人間なのに。
「なあ、ユリウス。今夜、空いてるか?」
毎度毎度、変わり映えのしない要求だ。
「またですか? よく飽きませんね」
ユリウスが少し嘆息してみせると、リチャードはこう囁いてきた。
「試してみたいテクがあるんだよ。だから今夜、イイだろ?」
「リチャード・マークスにはガールフレンドがたくさん居るのでしょう?
私でなく、彼女達に相手をして貰ったほうが良いのでは?」
周囲には女好きだと思われている男が、
「女の子が相手だと気を遣わなきゃなんないだろ、イロイロとな。
お前なら、そこんトコどーでもいいから、ラクだし?
ま、ぶっちゃけ、子猫ちゃん達はまだ慣れてないから、お前のほうが断然ウマイ」
「誘い文句としては“不可”ランクですね」
「お前よりウマイ奴が居ない、って言ってんのにか?」
「それは君が群を抜いて下手なだけですよ」
「るせーな。じゃ、あとでお前の部屋に行くから」
ピストル型の右手を向けられる。
「先にシャワー浴びとけよ?」
ウインクまでして去っていった。
今の捨て台詞が、ファンの女の子達に向けられたものなら、
ハートを打ち抜かれた彼女達から、さぞ悲鳴に近い歓声が上がったことだろう。
「ウインクの無駄使いだよ、リチャード・マークス」

ユリウスの髪が照明を浴びて、艶やかに光っている。
まだ濡れていた。リチャードの金色の髪も。
ユリウスは、こういう時に電気を消さない主義なのだ。
「な、んで、いつもこうなるんだよ」
「貴方が望んだことでしょう?」
二人の視線は一点に注がれていた。
リチャードのそれは既に赤く色付いている。限界が近いのだ。
「レディではなく、私とのプレイを望んだのは君ですよ、リチャード」
「クソッ……だからって、ユリウス……」
「もうおしまいですか? もう少し耐えられますよね?」
「んなこと言うなら、その手を、離せっ」
ユリウスは綺麗に笑った。
「イヤです」
指の動きが加速していく。
「てめえっ、いつも、いつも……クッ」
リチャードは思わず目を瞑った。
「うわー! また負けたー!」
テレビ画面には、ユリウスの勝利を告げる文字。
格闘ゲームでまたリチャードが負けたのだ。
「全く同じ台詞をアフタヌーンティの時にも聞きましたよ。
よくそんなに負けられますね。そこまでいくと一種の才能ですよ」
「どうすればお前に勝てんだよっ!?」
「そもそも、何故そんなに私に勝ちたいんです?」
「お前がいつも勝つからだろ!?」
「成程。なら、これからも負けるわけにはいかないね」
ユリウスはコントローラーから離れ、リチャードのベッドに腰掛けた。
「後片付け、お願いしますね?」
「あー、はいはい。ボロ負けした俺が喜んでやらせて頂きますよっ」
「そう言えば、さっきの話だけど、日本に行く目的は、テレビゲームとアーケードゲームだけかい?」
「さっき、そう聞こえなかったのか?」
「書いてあったからね、君の顔に。『本当の目的は別にあります』って」
何を思ったか、リチャードは、さっと右手を掲げた。
普段とは違う優雅な所作に、どこか遠くを仰いでいる目付き。
どうやら、役者のスイッチが入ったらしい。いつもより張った低い声。
「愛の前に、立ち塞がる物なんてないんだよ、ジュリエット」
演じているのは、モンタギュー家の息子らしい。
事ある毎に彼が演じてくれるので、ユリウスには今の台詞がどの場面かも解った。
ロミオとジュリエット第二幕第二場。リチャードの好きなジュリエットの台詞がある場面だ。
「僕は愛の翼で、この高い壁だって飛び越えて来たんだ。
キャピュレット家を囲う石の壁だって、僕の愛をはね返すことはできない」
見事な演技を見せた役者に、観客は三回だけ手を合わせた。
「ゲームへの情熱もそうだけど、君のハングリー精神には素直に感服するよ。
迷惑がられる可能性を恐れず、イギリスから、はるばる日本まで会いに行こうとするなんて」
ロミオからリチャードに戻った男が、ゆっくりと振り向いた。
「ケイにはまだ言うなよ? あいつは口が軽そうだからな」


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